高校入試 長い記述答案の解き方

最近、各教科の入試問題の答えを長い文の記述で答えさせる問題が増えてきましたね。

今日は国語についてその対策を取り上げました。この文も長いですよ。覚悟の上でお読みください。


記述問題とは

 入試問題には、数十字程度の文章を書いて答える形式の問題、いわゆる記述形式の問題がいくつかの科目で課されることがあります。


 記述形式の解答が必要となる出題内容は、説明文・論説文などの要約を作るもの、取り上げられている小説文・古典の登場人物の考えや心情を説明するもの、論説文の課題に関する意見を述べるものなどさまざまな形式があります。


 記述を入試問題に取り入れることで、選択式や語で答える問題とは異なる能力、例えば文章構築力や表現力をみようとしています。ここでは例を上げて説明しますね。


書き出しと結びの言葉

 まず、問いに呼応する答えになるように書き始めます。たとえば、「~を要約しなさい。」という問いならば、要約すべき文のポイントを織り込んだところ(主題の提示部)から書き始めます。


 そして残りの要約(結論に至る部分)と結びます。また、問いかけに合う文の候補が複数あることがあります。そのうち最も問いの答えにふさわしいところを選んで抜書きします。


 そして文末は問いに答える形、例えば「~の理由を答えなさい」ならば、「~だから。」とか、「~のことがらを答えよ」ならば、「~すること。」など、各々の問いに応じた文末表現とします。


例1

(例1.「次の説明文から日本の高度経済成長についてその原因をとりあげ、その過程と日本経済の発展について説明する部分を抜き出し、80字程度に要約しなさい。」への解答例)日本の高度経済成長は、朝鮮戦争の際に最も近い日本に受注が殺到し、これまでにないほど日本の景気を上向きにした。所得は伸びて消費が拡大しさらに好況を後押しした。


例1のポイント

 上は、要約文を作るタイプの問題への解答の一部です。まず、元の文章のポイントとなる点をはずせないので、本文の重要なところに線を引きます。


 要約文の論文をつくるには、説明のポイントとなる箇所から枝葉になる部分を取り除いたり、置き換えたりして接続詞で結び、自然な流れの文にします。


 この作業は要約文が長い場合には下書きをして、よく読んで確認できたら解答用紙に清書します。


例2

(例2.「傍線部1の、大統領制のほうが議院内閣制よりもより民主主義の場としてふさわしい、とあるのはどのようなことが民主主義の場としてふさわしいといえるからか、その説明として本文中より最も適切な部分を抜き出し、65字以内でまとめよ。」への解答)大統領は国民から直接選ばれるのに対し、内閣総理大臣は国会議員の選挙によって決められ、あくまでも間接的に国民が選んでいること。


例2のポイント

 本文を読んで、著者の主張の最も大事なところに注目して線を引いておきます。問題の問いかけに適合する部分を必ず書くとして、その前か後ろはそれほど重要でない部分を含んでいることがあります。


 したがって、そのいずれかを省いて65文字の文字制限の範囲内で文を整えます。文末はこの解答の場合は、「~という点」というかたちで結びます。


 解答が指定文字数の6、7割より少ない文字数になってしまうようなときは、明らかに何か不足していないか、注意して見直す必要があります。


例3

(例3.傍線部2の、『両方を合わせ持っていたとしても、より真の答えがえられるわけではない。』とあるが、著者はこの記述を通してどのようなことを言おうとしているのか、解答欄に収まる範囲の文字数でその説明をしなさい。」への解答例)利害を対立させている場合には、話し合いをすることで互いに歩み寄ろうとする態度を示すが、価値観が対立している場合には、両者の主張が真向から対立し、妥協点を探ることはなかなか困難であると著者は言おうとしている。


例3のポイント

 意見が分かれる際に起こりうる現象について論じた文に関する出題の解答で、多面的なものの見方や調整の能力を、文章力も見ながら探ろうとするものです。


 このような中学生が解く論説文には、対比させて物事を見つつ論点を明確化しながら、意見を表明していく形をとった文章がよく選ばれます。論点は対比の形を取っている部分を探し出し、解答文として記述します。


 この出題のように解答欄にます目がない場合は、ごく標準的な大きさの文字で解答枠ちょうどになるほどの文字数がふさわしいです。


例4

(例4.傍線部3「義男の話を聞いているうちに、山井の兄への悔いとは裏腹に、わたしの気持ちは軽く晴れていった」とあるが、このときの「わたしの気持ち」を、父母ともに行方不明のままになっている経験をもつわたしの不幸を通して80字程度で説明せよ。という問題への解答例)山井の兄はたったひとりでさびしく死んだのではなく、その傍らには彼の家族がいたことを知り、悲しい思い出の中にさっと日が射すように明るさを見出している。



例4のポイント

 こういった小説文に対する心情を書き表す解答となる文は、(先日もあげましたが)心情がそのまま書き表されていることはまずなく、例文に示すように、根拠や理由が比喩などを通して書き表されています。


 したがって、答えの中心となる人物の心情を表す周囲の記述や対象となる人物に応対している人物たちの行動などから、そのときの心情を表す要素を見抜いて書き表します。


例5

(例5.次の文を読み、下線部5に書かれている内容とほぼ同じ内容を示す別の箇所を本文中より取り上げ、著者がその考えをわかりやすく説明するためにあげた例えの部分を80字以内でまとめよ。」に対する解答論文)レストランのメニューの品数がたくさんありすぎると目移りしてしまい、自分がメニューを見る前よりも何が食べたかったのかわからなくなってしまうことがあること。


例5のポイント

 論説文などを読み、その中から一部を取り上げて、著者なりの考えや主張に関してたとえ話を上げた部分を抜書きする問題例です。


 この場合は、問題文の読み取りが鍵を握っています。よく読んでその問題の本質を捉えます。そしてそれに対するたとえ話を含む部分をバランスをとりながら示します。問題文の正確な読み取りも、論文問題の書き方として重要なことを表す一例です。


言葉の使い方

 手紙文が季節のことがらと挨拶から始まるように、記述する場合にもある程度、決まった文のかたちがあります。例えば、「2つの理由があり、一つめは…、もうひとつは…。」という書き方です。


 これで採点者は論点を整理しながら読み進めることができます。それから論理を説明するときは、「…だから~です。」など、理由や証拠を…部分に織り込みながら文にすることが必要です。


書き方の注意点

 問題文にされる文章は、物事にはほぼ必ず違った見方があり、それらを両論併記する形で述べた文が選ばれています。


 そういった見方に注意を払い、答えの文章を書くように心がけます。バランスが取れた書き方になっているかに主眼をおいて論文を書きます。


 もうひとつは、わかりやすい文かどうかの確認が必要です。文が練れていなければ読み手には本意が通じません。「どのようなことを…」の問いかけには、「…ということ。」などの文末の書き方にも注意して用います。


書き方のまとめ

 記述文を書く上で、答えの文章が問題文に呼応したものになっているか気をつけます。



 求められている書式(文字数など)となっているか、字数制限の8割以上書いているか、文章を書くときの一般的な決まりにしたがっているか、誤字脱字、転記ミスの有無など、多くの視点からチェックします。部分点が与えられることが多いですから、空欄のままにするより一部でも書いておくことをおすすめします。


 演習する際は、これらの点に注意して同じ問題を繰り返し解いてみて、解答の文が正しく書かれているか模範解答と比較してチェックします。


ここまで読んでくれてありがとうございます。お疲れ様。

posted by あまがえる at 19:00Comment(0)国語

故事成語 漢文の読み方について

故事成語

故事成語という言葉があります。「なんだそりゃ?」これは中国の言い伝えられてきた興味やいわれのある言葉や話を「故事」といいます。こうした古い時代の人々が作って本の中で用いたり、後世の人にもよく引用されたりするようになった語が「成語」です。そうして出来上がった語が「故事成語」です。成句といったり熟語といったりもします。このような語はたくさんあります。4文字のものは四字熟語ということもあります。「大器晩成」などがそうです。


たとえば教科書で出てくる「矛盾」という言葉が「故事成語」のひとつです。

盾と矛を一緒に売っている商人が自分の売っているこの二つの説明が一緒には成り立っていないことを指摘した故事より使われるようになった語句です。つじつまが合わなくなった時に使いますね。「なるほど。じゃあ、自分たちも知らずに故事成語を使っているわけ?」そうです。


皆さんがよく使う言葉の中にもあります。たとえば『完璧』などがそうです。この璧という字、壁という字じゃありませんよ。この璧というのはじつは宝石のことです。輪の形をした平らな玉です。少しの欠点もない完全な玉のことだから完璧です。なかなかないものです。むかし王様がそういった玉と15もの城と交換しようとした話がもとです。「へ~え」。


さて、漢文の読み方についての説明です。漢文とは古い中国語で漢字だけで書かれています。日本人は漢字を頼りにすれば、内容をある程度理解できます。そこで、日本人がこうした漢文を読むときに読みやすいように送り仮名をつけました。そのほかに中国語と日本語では、いくつか文法の違いがあるため、読む順序を変えなければならず、そういう時に「返り点」というを使うことにしました。レ点一・二点上・下点などです。


こうした送りがなや句読点、返り点をまとめて「訓点」といいます。日本語にするために必要な道具です。そして次の言葉3つを覚えましょう。


漢文に関する言葉


白文

 漢字のみで表した文

訓読文

 白文に訓点(レ点などのこと)をつけたもの

書き下し文

 日本語の状態になったもの<br/><a  href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4010220589/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4010220589&linkCode=as2&tag=amagaeru01-22">CD付 中学総合的研究 国語 三訂版</a><img src="http://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=amagaeru01-22&l=as2&o=9&a=4010220589" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />







posted by あまがえる at 19:00Comment(0)国語

竹取物語の世界

1年生は古典を習い始めました。竹取物語を習っている人もいるでしょう。「小学校の授業で繰り返し読んで、見ないで読めるぐらいになったよ。」そうですね。最近、小学校で繰り返し古典の名作を読むようになりました。それでみなさんもかぐや姫の話だということは知っているでしょう。


さてこのお話、平安時代にできたといわれています。今から1100年ほど前に成立したとされています。すでに5人の貴公子(貴族)たちが登場する設定ですものね。確かにそのようです。現代では最古の物語とされています。


でもその作者はわかっていません(作者不詳といいます)。漢詩などの教養を持つ知識人が書いたのではと推定されています。現実では起こらないはずの空想で描かれた世界のお話です。


大きく分けて次の3つの部分からなります。教科書にもこの3つの部分の一部が載っています。


(1)かぐや姫と翁(おきな)や媼(おうな)とのふしぎな出会いの場面


(2)5人の貴公子と帝によるかぐや姫の求婚の物語


(3)かぐや姫が月へ昇天していく場面


(2)の段階でなぜ、かぐや姫はこの世の中にありえないものを探すように仕向けたのでしょう?「いずれの人とも結婚する気がなかったんじゃない。」そうですね。それはかぐやは将来の自分の運命を知ったうえで、貴公子たちや帝の求婚を避けようとしたと考えられます。


それから(3)でわかるように、かぐや姫は月にいる天上の人です。地上に住む人とは相いれない考えの持ち主です。したがって地上の人々のあいだでは高貴な貴公子たちのふるまいすら、読者からは滑稽(こっけい)にすら見えます。じつはこの物語の作者は、現実の貴族社会の様子を風刺たっぷりに、それでいてユーモアを込めて描こうとしています。そこがこの物語の面白いところです。


しかもそれぞれの登場人物の、そのときどきの心情がこと細かく描かれています。その一方で月への昇天などの場面は、「未知との遭遇」の映画の一場面のようでもあり、SFのような壮大さや不思議さを感じさせます。


竹取物語は、源氏物語の中に(物語のいできはじめの祖(おや)なる竹取りの翁)と取り上げられています。すでに紫式部が源氏物語を書いた頃には竹取物語が読まれていたことになります。したがって、様々な物語へ影響を与えたことが想像されます。


この物語(伝奇物語というジャンルです)が現在まで伝わっている背景には、古い物語とはいえ、そういった人々が好む要素がふんだんに盛り込まれているからです。その結果、伝承されてきたといえます。


皆さんも読みながら、現代風にこの物語をアレンジしたものを作ってみて読むとまた別の意味で楽しいかもしれません。私はついこの間そういったものを作ってみてとても楽しいことに気づきました。

posted by あまがえる at 18:00Comment(0)国語

国語 問題練習したあとは

国語の問題を解いて自己採点したとします。○と×をつけて「ああ、やっと終わった、さあゲームしよう。」これでいいかなあ。何か忘れていませんか。


国語の問題を解いたあとはこうすると力がついてきます。そのポイントは問題集の解答のあとについている解説(あるいは解き方、説明など)です。こうして学習に利用します。


ひととおり解説(あるいは解き方、説明など)を読みます。

特に間違った問題のところは念入りに読んで理解します。こうしてこの問題を解くための手がかりを必ず得るようにします。

問題の間違えた小問の上に印をつけます。そこを解説の方法や説明にしたがって解き直します。今度は本文から答えの部分がじんわり浮かんできたら解説の内容を理解できたことになります。


この方法を繰り返していけば、読解問題を自分で解けるようになってきます。


posted by あまがえる at 21:00Comment(0)国語

国語 熟字訓を集めたよ

次の熟語訓を読めますか。熟字訓とは漢字の一字一字の音や訓とは関係なく、二字以上の文字全体に一語としての訓をあてたものを言います。後ろが正解の読みです。


土産    みやげ     紅葉   もみじ(訓。音読はこうよう)

浴衣    ゆかた     吹雪   ふぶき

雪崩    なだれ     名残   なごり

読経    どきょう    山車   だし

三味線   しゃみせん   竹刀   しない

五月雨   さみだれ    心地   ここち

雑魚    ざこ      桟敷席  さじきせき

硫黄    いおう     大海原  おおうなばら

お神酒   おみき     神楽   かぐら

為替    かわせ     時雨   しぐれ

玄人    くろうと    芝生   しばふ

日和    ひより     息吹   いぶき

乳母    うば      小豆   あずき


どれだけ読めましたか。書けるともっといいです。


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「解き方」がわかる国語 文章読解 (高校入試 塾の先生が教えるシリーズ)
posted by あまがえる at 19:00Comment(0)国語